UMA氏のタイトル

Interview

テンプル ──

4月に日本で2つのシャーマニックワークショップを開催しました。この夏も2つのワークショップを行います。そもそもシャーマニックなワークショップとはどういったものか、その特徴を教えて下さい。

Uma ──

私は他のスピリチュアル系のワークショップを知らないので、比較は難しいですが、シャーマニックワークショップは、他の手法のワークショップよりも深い意識レベルに入っていけるように思います。なぜなら、目に見えない世界とのパワーを繋いでいきますから。

例えば「トラウマが自分の人生の障壁になっている」ことを学ぶとき、まず体について知り、次に自分の感覚に気づき、人との関係性を考察してみる…というのは、知識レベルに留まっています。私たちをとりまく現実や人間関係の中だけに留まっています。

「職場で上司の一言がトラウマのトリガーとなり、職場で嫌な気持ちになった」というのは日常でありがちですが、そこで身近な人間関係だけではなく、もっと深いネットワークで繋がってみると、実はご先祖様からそのトラウマを引き継いでいたり、過去生からの影響がある、ということが浮上してくるかもしれません。

緑のドレスを着たUMAが室内で大きな黒いフレームのシャーマニックドラムをたたいている様子

会社という存在も、人にとっては「ひとりの存在」のような働きをするので、企業体という存在が、その人の健康や気持ち、考え方、自己認識にも影響を及ぼしています。シャーマニズムにおいては、表面的なレベルでは体・感情がベースラインにありますが、そこからもっと深いところまで、過去生や宇宙などすべてのエネルギーレベルも含め、ワークをしていくところがプラスアルファになっていると思います。

テンプル ──

ワークショップでは、Umaさん一人がクライアントのためにその深いレベルに到達していくわけではなく、クライアント自身がUmaさんの誘導により、なかば変性意識となって、魂の深いレベルに到達していく、という理解で合っていますか ?

Uma ──

まさしく、そうです。だからこそ、長いトレーニングが私たち自身に必要で、全てのエネルギー領域を自分の内部でホールドできるようになっておく必要があります。ですから私はワークショップ中、自らのエネルギー領域をその場全体、その場にいる全ての参加者全体にまで拡大していき、参加者が自分自身で深いレベルまで飛び込めるようにホールドしているんです。なので、答えはYESです。

テンプル ──

ドイツでも日本人のクライアントにセッションされていますが、日本国内に住んでいる日本人に個人セッションやワークショップをやってみて、あ、ヨーロッパの人と文化やメンタリティーが違うとか、日本人特有の課題があるな、ということがありましたか。

Uma ──

ヨーロッパの人はメンタルエネルギーにフォーカスが行きますから、ヨーロッパでワークショップを開催するときには、最初、私は空間づくりにエネルギーを注ぎます。例えば、ドイツでのワークショップを開催する場合、私は最初に参加者がリラックスして、くつろげる環境を作るのに時間を使います。精神的な安心を感じるからこそ心がオープンになり、そして自分の身体体験に入っていけるからです。ドイツでは参加者がそういう状態になるまでに少し時間がかかるので、ワークショップが始まっても、しばらくその安心を感じてもらう場づくりに時間とエネルギーを使っています。

テント内で複数の人が床に横たわり、黒いドレスの女性が指導している。2024年の夏にトスカーナで行ったワークショップの様子

でも、日本人の場合、大半の方が「私にとって必要なことだ」と決意してワークショップに来られていることもあるでしょうが、一瞬にしてオープンになっていかれている感じがありました。あと、日本人は他者を感じ取る能力がとても高い。周りの人が安全で安心でいられるための空気を読む感覚が優れています。周りの人の空気感から「あ、この人はもうオープンになっている」「この人はまだ閉じている」ということが感じ取れていると思います。それは日本人が持っている優れた感覚です。なので、ワークショップでも瞬時に自分をオープンにして、周りとも同調されていました。そのおかげで私は安心を感じてもらうための環境づくりや準備が少なくて済み、すぐにシャーマニックワークに入れました。これはもうヨーロッパの人たちと全然違います。これが私がすごく日本人の大好きなところです。

一方で、日本人は、社会やシステムは「こうあるべき」というような小さな枠があり、それにがんじがらめになっていて、なかなかそこから解き放たれることができない、ということがあると思います。ヨーロッパに移り住んでいる日本人はもっとオープンですが、日本に暮らす日本の方たちは、そこに葛藤があるように感じました。

小さな枠の中に自分が押し込められていることは感じているのに、なかなかそこから抜け出せない。小さな枠の中にいては、自分の魂の道、自分の道を歩んでいけない。自分の全てのキャパシティや能力は、その小さな枠の中では保てるはずもないのに、かといって、その枠に馴染んでもいない。そしてその枠に入りきれなくて孤独も感じている。なので、シャーマニックワークを受けたあと、日本の方にはアフターケアが大事になってくると思います。

自分の魂の道を歩き始めた人がどう日常を過ごせばいいか。それにはコミュニティが大事な役割を果たすと思います。その人が自分の魂の道を歩き始めたことを理解する人たちがいて、サポートできる環境が必要です。なぜなら、そういった人たちは小さな枠の中には納まらないうえ、孤独を感じている。これからどう生きていけばいいか、途方に暮れているからです。

テンプル ──

日本人は無意識レベルで周囲の人の思惑を気にして、自分の発言や行動を制限したり躊躇する傾向があります。例えば、自分の意見を言うのを我慢したり、セッションを受けている時に大声を出したくなっても抑え込んだり。普段から周りの人が自分をどう思っているかに気を使い過ぎる傾向があります。そういった日本人の傾向についてはどう感じられましたか? 先ほど、日本人参加者がワークショップですぐにオープンになっていったと言われていたのを聞いて少し驚いています。

Uma ──

エネルギーの流れをみたときに、日本人は外の世界に自分のエネルギーを向けてしまっています。そういう行動をとるきらいがあると思います。ですから「大声を出したい」「自分を表現したい」と感じたときには、まずエネルギーの流れを自分の内側に向けて、自分の内側に何があるのか、自分は何を感じているのか、何を出したいのか、表現したいのかを観察する必要があると思います。そうすると内側の感覚が浮上してきます。でも、日本人は、エネルギーを内側に向けること、その方向性に慣れていません。 子供の頃から周りを気にして、外側に意識を向けるように育てられてきたので、自分の内側の世界を見ないまま心身をなんとか誤魔化して、外の世界に適応しながら生きてきたと思います。そのため逆向きにエネルギーを方向づけるのは、最初は違和感があると思います。心身が慣れていないので。でも、私にはそれを打開する新しいテクニックがあります(笑)。